あんどうピアノ教室 安藤佳代です。
今日は本来はレッスンの曜日ですが、祝日でお休みをいただき、2024年初のコンサート、スタニスラフ・ブーニンさんのリサイタルに行ってきました。
ブーニンさんといえば、若干17歳でロンティボー国際コンクール、19歳でショパンコンクールを優勝し、一世風靡した人気のピアニストです。闘病のため、一線から退いてから9年、待ちに待った復活、10年ぶりのリサイタルです。
杖をついてゆっくりとピアノに進むブーニンさん。
足の長さが変わってしまい、左足はかなりの厚底の靴。それでも、またこうして帰ってきてくれた事に感謝です。ピアノはファツィオリです。
前半はオールショパン。1曲目のノクターン第5番を弾き始めた時、その美しい音色に吸い込まれます。家族の好きな曲を選んだプログラムとの事で、ポロネーズ第1番、プレリュード第15番「雨だれ」、マズルカ第40番作品63-2、63-3、第32番作品50-3、前半の最後はポロネーズ第7番作品61「幻想」。どの曲も思い入れがあるのでしょう。もしかしたら、まだ自分の思うように手が動かないのかも…と思わされる瞬間はありつつも、うまくリカバリーした演奏はさすがでした。
後半は、シューマンの「色とりどりの小品」作品99から8曲。それぞれの曲のイメージを見事に表現させていました。時には甘く時にはリズミカルにそして力強く、とても素敵な演奏でした。そして最後のプログラムは、メンデルスゾーンの「無言歌集」から「甘い思い出」。ホ長調の優美さを見事に引き出し、あれほどまでに優しく美しい音はないのでは?と思いました。
スタンディングオベーションの後のアンコールは、ショパンのマズルカ第45番Op.67-2とバッハの「主よ、人の望みの喜びよ」の2曲。マズルカらしさを十分に感じられた後の神々しい響きのバッハ。美しすぎます。心に染み渡りました。
パンフを見ると…またまた聴きたいと思ってしまったコンサートがありました。やはり、ホールで聴く演奏は素晴らしく…レッスンやコンクールなどの予定を鑑みて、また足を運びたいと思います!