あんどうピアノ教室 安藤佳代です。
今日は午前中レッスンの後、ラファウ・ブレハッチピアノリサイタルに行ってきました。
ラファウ・ブレハッチといえば、2005年のショパン国際ピアノコンクールで優勝、その時、マズルカ賞、ポロネーズ賞、コンツェルト賞、ソナタ賞、聴衆賞全てを受賞したピアニストです。
2021年10月以来のブレハッチのリサイタル、今日の席は、パイプオルガン下のちょっと穴場の席。
ピアノからとても近く、手の動きはもちろんのこと、弾いている時の表情まで見ることができます。
前半はショパンプログラム。
ノクターンヘ短調、4つのマズルカOp.6、「幻想」「軍隊」「英雄」を含めたポロネーズ4曲。
音を出す前からその場の空気をも感じて弾き始め、ピアニシモの音からフォルテの音まで美しい響きが響き渡ります。音の響きで作り上げられるグラデーションや、力強さの中にも優雅さ、上品さのある演奏、正しく正統派のショパンが会場中を包み込みます。ポーランドの民族舞踏のコミカルでリズミカルな演奏をしている時の表情、満足げに舞台袖に帰っていく表情なども見ることができました。
後半はドビュッシーのベルガマスク組曲、モーツァルトのソナタ トルコ行進曲付き、そしてシマノフスキーの12の変奏曲でした。
ベルがマスク組曲の曲想の違いを見事に表現しています。ハーフタッチの美しい音色、何層に聴こえる立体的な響き、本当に素晴らしかったです。
モーツァルトソナタでは繰り返しのたびに何かしらの変化を取り入れ、自由自在に楽しみながら音を出している様子に聴いているこちらまで楽しくなってきました。どんな音も端正で上品で優雅で…美しすぎます。心に染み渡ってくる感じです。
シマノフスキーの作品はまだあまり聴く機会がなく初めてでしたが、少し神妙さを感じる美しいテーマから全く雰囲気の違う変奏、そして、とても重厚で荘厳な最終変奏まで、色々な表情を楽しんで聴くことができました。
鳴り止まない拍手の中、アンコールはショパンのマズルカイ短調。しっとりと締めくくる本当に素晴らしい演奏会でした。