「誰でも簡単!」「すぐ弾ける」は本当か?
私がこう質問されたら、このように答えると思います。
「ピアノが弾けるということをどうイメージしているかによる」と。
これまでの経験から、ブルグミュラー25の練習曲程度の課題を自分で読譜出来て弾きこなせるくらいのテクニックがあれば、趣味で楽しく弾くことが出来ると私は思います。辞めて少しブランクが出来ても、ご自身で初~中級くらいの好きな楽譜を用意して練習したり、教室通いを再開してもゼロからスタートにはならないかと。
そのブルグミュラー程度というのが「簡単」「すぐ」かと言えば、個人差はありますがあくまでも普通に習っていた場合、数年かかるかと思います。(読譜が自力で出来ることも含みます)
世間で、あまりにも「簡単・すぐ」を強調されてしまうと、ピアノを始めてみよう!という心的ハードルは下がるかもしれませんが、始めてから「うちの子、簡単に進まない・・・向いていないのでは」と誤解されてしまう心配が。
特に幼児期は体格・集中力・理解力・忍耐力に個人差が出やすいですし、すぐに結果が出ないことも多いものです。1の指(ピアノでは親指を指します)の使い方など、普段の生活ではあまりしない動作ですし、すぐ真似出来る方ばかりではありません。
プロのピアニストとなると努力だけではなく才能も必要ですが、一般的に「ピアノが弾ける」というイメージとしてブルグミュラー程度でしたら、私は正しい練習を繰り返せば誰でも到達出来ると信じています。ただし、それは「すぐ」ではないことが普通です。お子さんがピアノを始める場合、保護者様は焦らず関心を持って見守ってください。