ストリートピアノが増えて来て、
仕事をしている近くにも置かれるようになりました。
早々にピアノを見に行って、
鍵盤だけ触って帰って来たことがあります。
レッスンでそのピアノについて
生徒さんがとても嬉しそうにお話されるので、
私も空き時間に再び行ってみました。
ちょうどお店をリニューアルするそうで、
人通りも少なくて良いと思いました。
レッスン室でもなく、ホールでもないのに
妙に緊張します。
誰も見ていないのに、椅子に座ると
「私はこれから弾きます」
と宣言しているようです。
発表会の講師演奏で弾いた
メンデルスゾーン作曲「ロンド・カプリッチョ―ソ」
の導入部を弾きました。
視線を感じて振り返ると、
配達にいらっしゃった方が、
少し離れた場所から拍手してくださっています。
嬉しいような、恥ずかしいような、
普段仕事で生徒さんに聴いてもらうのとは
また違った気持ちになりました。
「だからみんな弾くんだ」
と少しだけわかった気がします。
自分が演奏した音に反応を返してくれる人がいて、
知らない人と人を音楽が繋いでくれます。
忘れそうになった時にまた行ってみます。