幸せなことに、このところ
ピアノを習い始めの生徒さんに
接する機会が増えています。
体験レッスンでは
3曲ほど触れてもらおうと考えていますが、
お子さんの反応に合わせて加えてしまう内容があります。
それは、ピアノの面白さを伝える時間です。
私は習い初め、
親戚の家から頂いたオルガンで練習していました。
当時は自分にとって最高の楽器で、
「幼稚園と学校と一緒」と思っていたかもしれません。
遊び弾きが楽しくて、
何を奏でるでもなく鍵盤をただ触り、
世の中の音楽とは違うものだと感じた6歳でした。
「ピアノを習いたい」と来てくださるお子さんは、
この楽しさを知っているのではないでしょうか。
もちろん楽譜に興味を持ってもらい、
曲をまとめる過程も大切ですが、
音の面白さを忘れてしまってはもったいないです。
ひとりひとり観察しているうちに、
「ピアノは木でできているんだね」と発見してくれます。
私はペダルも伝えたいので、
ペダルを踏むと何が変わるかクイズをします。
そうすると、一所懸命になって
ペダルを踏んで考えてくれるのです。
ピアノには弦やダンパーがあり、
ペダルを踏んで「あ~」と言うと響く
という体験を経ると、初対面の緊張感もほぐれます。
先生と生徒という上下関係は平らになり、
笑顔でレッスンを進められるようになります。