渡邊さくらさんの初リサイタルへ。
淡いブルーとホワイトのマーメイドのようなドレスで登場され、前半はショパンとドビュッシーの珠玉の名曲達でちりばめられたプログラム。
耳馴染みのある名曲だからこそ、丁寧に大切にメロディを歌い、ハーモニーの移ろいは多様なタッチで奥行きをもたせる演奏。
そしてなんと言っても、ピアニシモ弱音の表情が豊か!羽根の様にふわっとしていたり、意思のある囁きだったり。
特に、前半をしめくくるドビュッシー喜びの島は、楽曲のもつ躍動感に、煌びやかな音色が交わり飛び交い、圧巻でした!
そして後半は『近・現代』
ラヴェルのソナチネ、三善晃アンヴェール、三善晃ピアノ・ソナタ。
ラヴェルのソナチネは、ドビュッシーの時とは違った音色温度を感じました。
軽やかな綺麗な音色でフレーズが紡がれていました。
そして、私の待望の『三善晃作品』!
卒論・卒演で掘り下げられたとのこと。
現代曲は、実際に聴いてほしい見てほしい、言葉で表現が難しい響き。
耳慣れない音だけど、何か見えるような世界といますか。引き込まれ自分がそのリズムの内にいる様といいますか。
さくらさん、さすが!!
この世界を、ピアノで繰り広げ聴かせ、みせてくれました!
アンヴェールは、静と動などコントラストの付け方が丁寧で、音色の合わせ方が素晴らしい!
ピアノ・ソナタは、全曲を貫く『E・Ges・F』の三音がどんどん様子を変えて現れ、特に3楽章は冒頭テーマの音色テンポが語り口となり、音楽がどんどん疾走し、飛び交い、『突如現れる厳格なコラール、終盤の劇的な展開』
羽のようなピアニシモから金属が重なるフォルテ、温かみのある豊かさ、渦のような音響!
さくらさんの曲間でのトークや解説を交えて、耳馴染みの良い名曲づくしの前半から、後半『マニアック』ともいえる近現代の世界へ、素晴らしいリサイタルでした!
後半の部では、お名前の『さくら』色と菜の花の黄色で春色満開のドレス。
アンコールは
平井康三郎作曲『幻想曲さくらさくら』
平井康三郎先生は三善晃先生の幼少の頃の先生でらした方!
日本人なら『郷愁』を感じるのではないでしょうか。
大切に演奏されていました。
今後のご活躍、とても楽しみにしています♪♪
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