未曽有の春になりました。

あたふたとしている間に

いつの間にか

庭の桑の実も色づき、

気が付くとすっかり初夏です。

小学校や中学校の一年生たちが

やっと

胸はずむ新しい学校生活を始め、

ほかの学年の子どもたちも

遅れた新学期を取り戻しつつあります。

教室でも

今月から通常レッスンが始まり、

生徒さんたちは

マスクや除菌に

すこーし固い表情を見せながらも

笑顔でおしゃべりをし、

ピアノを弾いています。

「せんせーい、ここんところ

なんて書いてあるの？」

「まいにち練習したよ！」

「あんまり見れてない…」

たっぷり弾いてきて

自信満々の子も、

ちょっとサボって

自信のない子も、

どの子もかわいいです。

当たり前にレッスンできること。

当たり前に子どもたちと

おしゃべりができること。

当たり前に

大切な人たちに会えること。

そのどれもが

当たり前じゃなかったと、

気づかされた春でした。

まだレッスン再開が

できていない教室もある中で、

無事レッスンできる幸せを

味わっています。

幾つになっても

自分の未熟さが目に付きますが、

子どもたちに

できるだけ寄り添って

音楽の散歩道を

また歩いていきたいと思います。