中学生になったH君。
最近は、自分の弾きたい曲を
持ってくることが
多くなりました。
ドラクエとか、ポケモンとか。。。
映画のオープニング曲だったり、
エンディングテーマだったりを
楽しそうに弾いています。
こういう曲は案外難しくて
しかも長い。
ハノンやバイエルなどの
練習曲にも
ちゃんと取り組んできた成果が、
自分の好きな曲で
実っているのを
見届けることができるのは、
私にとっても
嬉しいことです。
こういう曲に欠かせない
ペダリングも
腕運びも
感情表現も、
格段に上手くなってきました。
そして、最近彼は
弾き始める時に
よく、こう言うようになりました。
「じゃあ、弾かせて貰います。」とか、
「じゃ、いきます。」とか。
これを聞くと、
「今から弾くから
僕の音楽をよく聴いてて下さいね!」
と言われたように思います。
それから
親や先生から押しつけられた
「やらなければいけないこと」
を始めるのではなく、
自分のやりたいことをやるのだ。
というような気持ちが感じられて、
彼の成長も感じられて、
嬉しい気持ちになります。
生徒さんが
自ら音楽に取り組んでいく
姿を見られるのは、
ピアノ教師にとって
喜びを感じられるひとときです。
H君のレッスンを終えて
私がメモを取っていると、
「一回弾いてもいいですか?」
どうぞどうぞ!
そうして彼は
またひとしきり、
音楽の中に浸ってから
帰っていきました。
H君。
これから
勉強も他のことも
いろいろと忙しくなるだろうけど‥。
あなたなりの関わり方で
ピアノや音楽を
大切な友達のように
となりに置いて、
ずっと楽しんでいってね。